イライラしたときに「アサーティブコミュニケーション」をうまく実践する5つのコツ

アサーティブコミュニケーションって言葉は知ってるけど、イライラしてしまってうまく使いこなせないなんていうのはよく耳にします。

「客観的事実を見ようと思っても、感情が先行してしまう」

「イライラが収まらなくて上手に伝えられない」

「自分が正しいという感覚から抜けられない」

「違う意見が否定に聞こえてしまう」

そんなことってありますよね。

私もアサーティブコミュニケーションを知ったときは

「これ、いいなぁ」

「自分も相手も否定しない、共存できて尊重しあえるって素敵だなぁ」って思いました。

でも、やろうとしてみると

「で、できない!!」

「てゆうか、前からやろうとしてたけど、できなかったんだよね。」

なんて気持ちになってしまいました。

できたら本当に素晴らしいアサーティブコミュニケーション

アサーティブコミュニケーションに憧れた私が試行錯誤してわかったことは、実践する前にいろいろ身につけなければいけないスキルや知るべきコツがあったということです。

ここでは特にイライラした時にアサーティブコミュニケーションを実践するためのコツを5つ書いてみようと思います

自分を尊重する「準備期間」が必要

アサーティブコミュニケーションを実践しようと思った時は客観的な事実を伝えます。イライラしたことやイライラした感情や相手への不満をそのまま伝えるのはアサーティブではないとされています。でも、実際にイライラしている時にこれをやるのってかなり大変ですよね。イライラは我慢しないといけなくなります。

この我慢が失敗のモトです。イライラや相手への不満を差し置いてアサーティブコミュニケーションを実践しようとすると、余計に不満が溜まって怒りに飲み込まれてしまいます。そうすると相手を尊重する気持ちなんて生まれません。

イライラしている時まず、アサーティブに伝えるための準備の期間が必要です。相手の前に自分の気持ちや感じていることを大切にする期間です。その時に怒りを感じる時間を作ることをお勧めします。

イライラしたくないと思う人も多いと思いますが、ちょっと落ち着いて時間をとってみてください。自分は何にイライラしているのか、相手にどんなことを求めているのか、どんな状況であって欲しいのか、その出来事に対して別の感情はないかなど自分の言い分や気持ちを聴いてあげる時間です。

こうやって自分の気持ちや言い分を存在させてあげることは、相手の話を聴いたり、相手の意見や感覚を尊重することにつながっています。逆に我慢してうまくやろうとすると、無意識的に相手の気持ちや都合も無視するスタンスになってしまいます。

アサーティブコミュニケーションをうまくいかせよう、相手も大切にしたコミュニケーションをしようと思ったらまずは自分のことを大切にしているのが前提条件です。

相手も自分も尊重したアサーティブコミュニケーションのために、まずは自分の気持ちを尊重する期間を設けることがひとつめのコツです。

誰かを大切にするためには自分を大切にしなきゃ

アサーティブコミュニケーションをうまくいかせようとテクニックを意識すると「自分を尊重して、大切にする」というのは抜けがちかもしれません。もう少し、自分を大切にすることについて書いておきたいと思います。

自分を大切にするための具体的な方法についてです。

当時、私は自分を大切にするとか言われるとなんか綺麗事のような気がしていました。笑

自分を大切にするっていうのは、自分の本音を知っていること、それを認めていることなんです。だから最初のコツで書いたように自分の怒りをちゃんと聴くことは自分を大切にする行為にあたります。

その時に、ちょっとポイントがあります。

ひとつは冷静に考えるとちょっと理不尽な怒りだったり、イライラする自分が情けないなぁ、小さいなぁと思ったとしても、とことん自分の味方でいてあげることです。

ちょっと変な人っぽいですが、声かけをしてあげるといいと思います。例えば「そうだよね、それは腹が立って当たり前だよ」とか「それはひどいね!」「本当にそういうのむかつくよね」って感じです。たくさん文句や悪口を心の中で言ったところで誰も困らないし、イライラするにはちゃんと理由があるのだから、今感じている怒りは正当な怒りのはずです。自分で自分にやりづらい人は、誰かがそういう言葉をかけてくれるのを想像してみても同じ体感を得られます。

もうひとつは本当に欲しいものを満たしてあげることです。イライラしている自分の話を聞いていると、自分の求めていることがわかってきます。イライラしている相手に対して「もっと話を聞いてほしい」と思うならイライラしている相手以外の人で話をちゃんと聴いてくれそうな人に話を聴いてもらうとか、「自分をねぎらって欲しい」と思うなら自分で自分をねぎらうためにちょっとおいしいものを食べてみるとかリラックスできる場所に行ってみるとかです。

こうやって自分を大切にしていいると怒りがだんだんクールダウンしてきます。怒りが落ち着いた後だとアサーティブコミニケーションがとってもやりやすくなります。

ここまでが5つの中でも重要なポイントです。

もしかしたら怒りが落ち着いてくると、その前に相手に言いたい思っていたことがすっと消えてしまう、なんてこともあるかもしれません。

相手との心の距離って要!

さて、自分のことを大切にしたら、次は相手も尊重する気持ちで相手へ何かをつたえる段階です。

有効な伝え方はアイメッセージと言われます。

これはアサーティブコミニケーションを知っている人ならよく聞く言葉かもしれません。アイメッセージとはI(私は)と自分を主語にしたメッセージのことです。「私は」こうした方がいいと思う、はアイメッセージですが、「あなたは」こうすべきだというのはアイメッセージにはなりません。

言葉はアイメッセージなんだけど、話しての気持ちがアイメッセージにならない時があります。心のどこかで自分が一番正しい気持ちになってしまったり、相手がこうすべきだという感覚が拭えなかったりした時です。

うまくアイメッセージにできないと場合は普段から心の距離感が近いのかもしれません。

本を読むのに読みやすい距離があるように、人間関係にも付き合いやすい心の距離感というのがあります。

初対面の人は少し遠くて、関係性が深まれば心の距離感は近くなります。本が遠すぎても近すぎても読みづらいように、心の距離感も遠すぎても近すぎても居心地が悪いものです。

アイメッセージでうまく相手に言いたいことを伝えるにはこの心の距離感は重要なんです。

イライラしているときはこの距離感が非常に近くなっていることが多く、むしろ自分と相手が同じになってしまっていることもあります。

距離感が近いとこんな感覚になりやすいです。

・自分がこう感じているから相手もこう感じるはずだと思いやすい

・自分と違う意見だと否定されているように感じる

・相手と違う意見を言いづらい、言うと相手を否定してしまうような気がする

心の距離感が近くなりすぎているなぁと思ったら、相手は違う自分とは違う意見を持ったひとりの人間なんだということを意識すると心の距離感が遠くなります。うまく意識できない場合は次にご紹介する相手に共感することが役に立つかもしれません。

相手に共感してみると世界がひらける

イライラした時って相手がどんなふうに感じているかってあんまり頭に浮かばなかったりしますよね。

自分の意見が正しいと言うふうに感じてしまって押し付けたくなってしまうこともあると思います。

そういう時にちょっと相手の気持ちに共感するだけで視野が広がっていくことがあります。もし自分が相手の立場ならどんな風に思うだろうって、相手の場所に立って世界を見てみるような感じです。

私は相手に対する文句が出てきてしまう時に相手に共感したらちょっと申し訳ない気分になった時がありました。笑

相手に共感できると相手との距離感も心の距離感も適切になりやすくなります。相手の状況ならどんなふうに思うかちょっと思いを馳せてみるのはどうでしょうか。

怒りをなくそうとしないことがとても大切

イライラして、怒りが収まってほしい、なくなってほしいを思う人は多いように思います。

私も「イライラしない自分になれたらどんなにいいだろう」と感じていました。だから怒りをないことにしたいという気持ちがどこかにありました。

でも、今回ご紹介したコツのほとんどは自分の怒りをないことにしてしまってはできないことばかりです。

相手に共感することも、自分の話を聴いて、まずは自分に共感してからこそ、うまくいきます。怒りは自分の大切なものを守るためのメッセージなので、相手の立場に立ってばかりで聴いてあげないとどんどん大きくなっていきます。そうすると相手のことなんて大切にする余裕がなくなってしまうんです。

だから自分の怒りを大切にしながら、ちょっと視点を変えてみる、心の距離感を保つというバランスを大切にするといいと思います。

アサーティブコミニケーションがうまくいかないなぁという人は、まずは自分を尊重する、自分の怒りを大切にする、その後に相手にアサーティブに伝えるということを試してみてはいかがでしょうか。

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。